埼玉県立の男女別学高校の共学化をめぐり、県教育委員会は22日、「主体的に共学化を推進する」と結論づけた。一方で、具体的な進め方については示さなかったこともあり、共学化を支持する賛成派と、別学維持を訴える反対派の双方から不満や戸惑いの声もあがった。
「計画的に共学化を」「別学の意義訴え続ける」
共学化を求めている市民グループ「共学ネット・さいたま」の世話人代表、清水はるみさん(72)は、報告書について「今までは学校任せだったが、県教委の主体性を打ち出したことには大きな意義がある」と評価した。
その一方で、共学化に向けた具体的な時期や方法、学校名が示されなかったことについて「具体的なプランがない。目標年度を定め、男女共同参画の視点から計画的に共学化を進めてほしい」と訴えた。県教委が今後検討するとしているアンケートや意見交換についても「賛否が対立するだけだ」と批判し、「何が共学化を阻んでいるのかを聞き取るべきだ」と述べた。
別学12校の保護者代表の一人として、5月に県に要望書を出した久喜高校の前PTA会長の篠田和枝さんは「生徒の希望や能力に応じた進学先が求められることや、別学に一定のニーズがあることに言及した点はよかった。今後の検討ではこうした点を考慮してほしい」と話す。
報告書では「主体的に共学化を推進していく」とあるだけで、具体的な検討方法や時期は示されていないことから、当面は議論が続くと考えている。「12校がまとまって別学として残ってほしい。他校の保護者とも協力して意義を訴え続けていきたい」と述べた。
■「いろんな意見ただまとめた…