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マンホールから作業員4人が転落し死亡した現場=2025年8月3日午後2時19分、埼玉県行田市、小崎瑶太撮影

 埼玉県行田市で2日、マンホール内で作業員4人が転落し死亡した事故で、市は5日、4人の勤務先が作業前に提出していた「業務計画書」を報道各社に公表した。計画書では、日常業務として、調査開始前に、墜落や硫化水素などの有毒ガス発生を予測し、事故が起こらないように全員で話し合うことが掲げられていた。

 4人の勤務先で今回の調査を受注した三栄管理興業(さいたま市)によると、2日の事故当時、4人は落下防止の安全帯(命綱)を着けていなかった。

 計画書では施工方法として「関係法令を守る」と記載されており、関係法令の中には労働安全衛生法などが含まれている。市の担当者は、朝日新聞の取材に、命綱の着用はこうした記載に含まれているとの見解を示した。

 また、厚生労働省の労働衛生課によると、国の酸素欠乏症等防止規則では、硫化水素中毒になった作業員を救出する際、硫化水素を吸い込まないようにする「空気呼吸器等」を身につけさせることを事業者に義務づけている。

 空気呼吸器等とは同規則によると、空気呼吸器のほか、酸素呼吸器、送気マスクを指す。

エアラインマスクを着けていなかった

 市が公表した「工事仕様書」…

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