埼玉県の大野元裕知事は28日、国の政策についての県の要望を県選出の国会議員に伝える会議のなかで、日本とトルコとの相互査証(ビザ)免除協定の一時停止を求めた。理由として「外国人の中には、免除協定に基づき入国し、正当な理由を認められない中、難民申請を繰り返す外国人が滞在を継続し、犯罪行為を行う事例などにより住民に不安が広がっている」と説明している。
日本とトルコは、観光目的などの短期滞在なら互いにビザなしで入国できる免除協定を結んでいる。県はこの協定について、「現状を踏まえた慎重な検討を行い、必要に応じ一時停止措置を講じること」を、地元議員たちに要望した。
県の説明によると、日本在住のトルコ人の31.1%が県内に在住している。2024年の難民申請では複数回申請者、難民不認定者、仮放免者のいずれも、トルコが国籍別で最多だったという。
大野知事は会議後、「トルコ国籍の方が難民申請を何度もして、それが受け入れられない(トルコの)方々が、不安を惹起(じゃっき)していることが事実関係としてある」と述べた。