東京・伊豆大島の噴火。流れ出る溶岩と激しい噴火が続く三原山=1986年11月19日

記者解説 論説委員・黒沢大陸

 防災に大きな役割を果たしてきた火山噴火予知連絡会(噴火予知連)が昨年11月に終了した。新たに発足した火山調査研究推進本部(火山本部)は、専門家の知見をどう生かしていくのかが課題だ。

 噴火予知連は国の予知計画が始まった1974年に、気象庁長官の私的諮問機関として発足。大学の研究者や省庁の担当者らで構成し、情報交換や火山活動の判断、観測態勢の検討などを担った。

 定例会のほか、火山活動が活発になると臨時会や部会を開いて評価してきた。「統一見解」や「会長コメント」は、気象庁が火山情報として関係機関に伝え、政府や自治体の防災対応に直結した。

 携わる研究者は学者でありながら防災の矢面に立たされ、科学と防災対応の間で苦悩してきた。

ポイント

 50年以上続いた火山噴火予知連絡会が終了し、火山調査研究推進本部が発足した。気象庁は活火山ごとに「噴火警戒レベル」を運用しているが、予知は確実ではない。未経験の大規模噴火に備えるため、観測や研究態勢を強化し人材育成も急ぐべきだ。

 86年からの東京・伊豆大島…

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