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 (5日、秋季兵庫県高校野球大会決勝 東洋大姫路7―1神戸学院大付) 東洋大姫路の阪下漣投手(2年)は焦る気持ちと戦っていた。「先制点を取られたら、相手の流れになる」。二回、前の回に続き先頭打者を出し、1死二、三塁にされた。

 明石商に惜敗した夏の兵庫大会準決勝は3番手投手としてわずか6球を投じただけだった。新チームになってから、練習での投球数をあえて減らした。緊張感を保つためだったという。

 「代わりに一球一球の質を上げることに集中した」

 練習を思いだしながら制球に気を配った。次打者を見逃し三振。そして迎えた9番打者にはフルカウントから直球で詰まらせ、中飛に打ち取ってピンチを切り抜けた。

 試合の後半では右打者のインコースを多めに突いた。強気の投球が奏功し、八回に1点を失ったものの完投。チームを17年ぶりの秋の県大会優勝に導いた。

 「ここからが本当の勝負。近畿大会で勝ち進み、甲子園出場を確定させたい」と意気込んだ。(原野百々恵)

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