「自分のいのちを守るために、あなたのこころの声を聴いて」。不登校の苦しさや不安を経験した人が、同じ境遇の子どもに呼びかけた。夏休み明けを前にメッセージを伝えたいと「富山県不登校を考えるネットワーク」が会見し、休みたい子を無理に登校させない配慮を求めた。
県内のフリースクールや親の会でつくる同ネットは、学校に行けない子どもと家族を支援している。長期の休み明けに、自ら命を絶つ子どももいることから、助けになる情報を発信しようと、相談窓口などを紹介した。
経験者としてメッセージを読み上げたのは、中学時代に不登校だった富山市の女性(23)。「学校が始まるのが怖かった。そして生きているのが辛(つら)かった。私はそんな夏休みの終わりを過ごしていました」「本を読み、好きな言葉をメモすることに夢中だった」と当時を振り返った。
「あなたには、何か夢中になれるものがありますか? すぐに見つからなくても大丈夫」と、生きづらさを抱える子を励ました。「ゲームにはリセットボタンがあって(中略)やり直すことができるけど、自分のいのちにはリセットボタンがない」。だから、あなたのこころの声を聴いてみて、と締めくくった。
文部科学省の調査によると、不登校の小中学生は年々増え、2023年度は全国に約34万6千人、県内には2641人。同ネットの高和正純代表は、増えること自体は問題ではないとし、「学校に行くのがつらい時は、休養を取ることが教育機会確保法で認められている」と説明した。他方、一律の休みが終わって学校が始まると「通わなければならない雰囲気が強まり、とてもつらくなる子がいるのが事実」と述べた。
高和さんは、子どもにとって家庭を安心できる居場所にすることや、同じ立場の親同士で悩みを共有することが大切だと話した。同ネット作成の「とやま よりそいマップ」(https://www.pref.toyama.jp/3002/yorisoimap.html
子どもの相談窓口
(富山県不登校を考えるネットワーク作成の一覧から)
【全国】
文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」0120・0・78310
社会的包摂サポートセンター「よりそいホットライン」0120・279・338
自殺対策支援センターライフリンク「#いのちSOS」0120・061・338
チャイルドライン支援センター「チャイルドライン」0120・99・7777
【富山県内】
県「こども総合サポートプラザ」076・481・7401
県「こども・若者総合相談センター」076・411・9003
県教育委員会「24時間いじめ相談電話」076・444・6320
富山市子育て支援センター「子どもほっとダイヤル」0120・874・440