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「アフリカン・カンフー・ナチス2 逆襲のロボトラー」に登場するロボトラー ©SEBASTIAN STEIN ALL RIGHTS RESERVED

 夏がもう来たと思ったら夏枯れも来てしまい、コラムのネタがない。しょうがないので26日公開のガーナ・独・日合作映画「アフリカン・カンフー・ナチス2 逆襲のロボトラー」の紹介でもしましょう。しょうがない、なんて言っても(たぶん)怒られません。前作に続き「しょうがねえなあ」と笑っちゃう映画ですから。

 ヒトラーがひそかに生き延び、潜水艦でアフリカのガーナに渡り、「血染めの党旗」の呪いの力と東条英機の空手で世界征服に乗り出すというまことにばかばかしい映画「アフリカン・カンフー・ナチス」が、2021年にまさかの全国公開を果たし、今回はまさかまさかの続編。日本在住のドイツ人監督セバスチャン・スタインさんがまたも監督・脚本・編集、そしてヒトラー役を務め、クラウドファンディングで製作資金を募るや瞬くうちに目標達成(みんなそんなに続編が見たいか)、今度は巨大ロボ特撮だ!

 なので前作から進境があったとすれば視覚効果がちょいと派手になったか?というくらいですが、基本はカンフー映画で、基本ゆるゆるです。クラブやキャバクラでオネーチャンたちが尻をふる場面が妙に長いところも同じ。前作の天下一武闘会が大統領選に取って代わり、ヒトラー本人がギロチン拳の使い手へ進化を遂げたものの、物語の本筋は主人公があっちの師匠からこっちの師匠へわたり歩き、カンフーの特訓で技を身につけ、次々と強敵を倒し、最後はヒトラーが爆発します。特訓といっても腕立て伏せ、バケツで水くみ、木の幹や地面にガッ!とツメを立てる。ジャッキー・チェン映画を見た昔の小学生と変わりません。刷り込みって恐ろしいですね。

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「アフリカン・カンフー・ナチス2 逆襲のロボトラー」のヒトラー(セバスチャン・スタイン)は、なぜか動きがカクカク

 プロダクションノートを読ま…

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