随筆家のサンドラ・ヘフェリンさん

 ドイツ・ミュンヘン出身の随筆家サンドラ・ヘフェリンさんは、「多文化共生」をテーマに執筆活動をしてきた。外国にもルーツを持つ日本在住28年の彼女の目に、参院選の最中にSNSなどで広がった「日本人ファースト」がどう映ったのか、話を聞いた。

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 参院選のさなかにあふれた「日本人ファースト」という言葉に違和感を覚えました。「日本人」を強調したいのなら、「日本人第一」では、と。私のような外国にもルーツのある人たちに居心地の悪さを強いる言葉の重さに比べ、発信する側の軽さを感じました。

 私の父はドイツ人、母は日本人ですが、ドイツでは極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が勢いを増しています。排外主義の動きは先進国で広く見られ、移民や難民流入の不満など様々な要因が指摘されています。しかし、難民の受け入れ数なども桁違いに少ない日本でなぜ、排外的な動きが起こるのか、よくわかりません。日本はずっと日本国内においては「日本人ファースト」だったのではないでしょうか。

ヘイトを生む土壌にある「無知」

 日本の国籍法は、外国の国籍…

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