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高校時代の大の里(前列左端)=田海哲也さん提供
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 昭和以降では最速記録となる横綱昇進。大の里(24)=本名中村泰輝=は初土俵からわずか2年、所要13場所で番付最高位へ駆け上がった。192センチ、191キロの恵まれた体格で異例のスピード出世を果たしたが、学生時代に指導した2人の恩師は「彼は天才でもなんでもない」と口をそろえた。土俵での豪快な印象とは対照的に、緻密(ちみつ)な努力を着実に重ねてきた。

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 出生時の体重は4千グラム超。小学校1年生で、地元・石川県津幡町の少年相撲教室に入った。牛丼の大盛りを1度に3杯平らげるなど食欲旺盛で、周囲に比べてひときわ体が大きかった。恵まれた体格で負け知らずだったが、高学年になると以前勝てた相手にも勝てなくなった。

 相撲の専門誌を眺めたり、歴代横綱の取組映像を片っ端から見たり。高校生の大会を観戦し、必死にメモを取るほど相撲が好きだった。だからこそ、負けが悔しかった。「強くなりたい。相撲に専念したい」と、小学校を卒業後に親元を離れた。各地から有望株が集う、新潟県にある中学へ進んだ。

 「(中学に)入ってきた時は、取り立ててすごいと感じなかった」

 能生中、海洋高時代の6年間を指導した田海哲也さん(64)は当時の大の里をそう振り返る。ただ、相撲に向き合う姿勢には、目を見張るものがあったという。

 大の里は、技術や取り口で疑…

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