事故で前部が大破した大型トラック(記事とは直接関係ありません)

 大型トラックに衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)を搭載していても、ドライバーが居眠りすると衝突事故の割合を下げる効果は「限定的」でさほど期待できないことが、広島大の研究グループの分析で浮き彫りになった。

 研究グループは2016年4月~23年3月に起きた1699件の衝突事故のうち、事故損害金額が確定した563件の事故を対象に調査した。

 その結果、事故原因が居眠り運転以外だとAEBS搭載トラックの事故率は1・2%で、非搭載(1・56%)よりも低かった。一方で、居眠り運転が理由では、AEBS搭載の事故率が0・41%だったのに対して、非搭載が0・37%で「AEBSの効果を示す有意差はなかった」(研究グループ)としている。また、居眠り運転以外では、AEBS非搭載の方が事故損害金は大きかったが、居眠り運転ではむしろAEBS搭載の方が事故損害金が高くなる結果が出て、AEBSの効果は裏付けられなかった。

 研究グループは、睡眠医学を…

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