学校に行く気が起きない。登校するのがつらい。5月の大型連休明け、そんな悩みを抱える子が増える傾向にあるといいます。なぜなのか。周囲はどう声をかければいいのか。不登校に詳しい高橋知己(ともみ)・上越教育大教授(学校心理学)に聞きました。
――ゴールデンウィーク明けは学校への行き渋りや不登校が多いと聞きます。
子どもの自殺は1年の中で9月1日が一番多いというデータがあり、不登校についても夏休み明けのリスクは認知されるようになりました。ただ、大型連休明けも同様にリスクが高いと感じます。心が疲れて学校を休みたいな、と思っている子どもは大人が思っている以上に多いのではないでしょうか。
――なぜこの時期に多くなるのでしょうか。
「五月病」という言葉があるくらい、心の調子を崩しやすい時期です。年度が変わって心機一転、と意気込んだものの、頑張り過ぎて息切れするのがこの時期に当たります。クラスの人間関係はまだ手探りで、友達づくりがうまくいっていない子も少なくありません。
運動会も「心理的ハードルに」
5月に運動会を開く学校はそ…