収穫した2024年産のブドウから、茎や未熟な果実を取り除く選果作業に取り組む学生たち=山梨大学ワイン科学研究センター提供

 100年先まで続く持続可能なワイン造りを大学から発信したい――。山梨大学ワイン科学研究センター(甲府市)が、ブドウ栽培から醸造・瓶詰めまですべての工程を大学単独で進める「シン・山梨大学ワインプロジェクト」に挑んでいる。

 ブドウの収穫シーズンを迎えた9月初旬、有志の学生たちが大学職員所有の畑でブドウの刈り入れをした。収穫したのは、赤ワイン用の日本固有種ブドウ「マスカット・ベーリーA」。収穫後は研究センターで、ブドウの茎や未熟な果実を取り除く選果作業と、搾汁や発酵の仕込み、タンク詰めを実施。白ワイン用になる山梨県の特産ブドウ「甲州」も、9月下旬に収穫・醸造予定だ。

 大学によると、民間のワイナリーが関わらずに大学が単独で販売用のワインをつくるのは全国初の取り組み。各地の大学の名を冠した従来の「大学ワイン」は山梨大も含め、企業と共同開発のためワイナリーで製造販売されてきた。センター長の鈴木俊二教授(ブドウ栽培学)は「オール山梨大のワインは、大学が培ってきた技術と情熱が込められている」と話す。

「シン・山梨大学ワインプロジェクト」を進める鈴木俊二教授=山梨大学ワイン科学研究センター提供

学生がつくる「クリーン」なワイン

 研究センターは果実酒専門研…

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