左打席で背筋をスッと伸ばしてバットを構える。投手が投げると、すり足気味のノーステップでスイングする。
この日、二回に右翼への二塁打を放った横浜の1番打者・阿部葉太の打撃フォームは、大リーグ・ドジャースの大谷翔平に似ていた。
「ステップやバットを構える位置などを参考にしています。低反発バットへの対応で試行錯誤して、あの形になった」
いまや大谷は、多くの球児が憧れる存在。近年はインターネット上の動画でプレーを見られる環境が整っており、阿部葉も「動画を有効活用しています」という。
海の向こうの遠い存在だが、技術を学ぼうと思えば、昔より身近になっている。動画で細部まで研究し、自分の中に落とし込むことができる。敦賀気比(福井)の4番・小林拓斗も、右打者ながら「大谷選手の軸足のためを参考にしています」。阿部葉も小林も、18日に東京ドームであったドジャースの開幕戦をテレビで見たという。
大谷は花巻東(岩手)時代の2年夏、3年春と甲子園に出場した。今は大谷に刺激を受ける球児たちも、甲子園での経験を糧に大きく羽ばたいてほしい。