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パドレス戦に臨む大谷翔平=AP

 7月15日の球宴後が米メディアの間で「定説」となっていた、大リーグ・ドジャースの大谷翔平(30)の投手復帰が1カ月前倒しになった。6月16日(日本時間17日)の本拠ドジャースタジアムでのパドレス戦に、「1番・投手兼指名打者」で先発出場した。

 1回28球を投げて2安打1失点で降板。ストレートは最速約161キロを計測した。

 大谷にとって2度目の右ひじ手術後の投手復帰。

 投打の「二刀流」を長く継続するためには細心の注意を払わなければいけないが、急転直下で発表された。

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 背景には、ドジャース投手陣の苦しい台所事情があることが考えられる。

 最大の誤算は、オフの補強の目玉だったサイ・ヤング賞2度の左腕、ブレイク・スネルが全く戦力になっていないことだ。

 5年総額約275億円の大枚をはたいて獲得したが、4月上旬に早くも左肩の炎症で離脱。わずか2度の登板で、9イニングしか稼げていない。

 ただ、ロバーツ監督は「マラソンのような長いシーズンでは、色々なことが起こる」と、スネルが離脱した時点では動じない姿勢を見せていた。

 それが投手陣にアクシデントが相次ぐと、悠長なことも言っていられなくなった。

 先発の柱の一人として期待さ…

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