「春の軟式交流試合」に向け、練習をする河南の南大和選手=2025年4月16日午後5時11分、大阪府富田林市の河南高校、渋谷正章撮影

 阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で5月5日に、全国各地から選抜された軟式の高校球児が集う「春の軟式交流試合」が開かれる。大阪府内からは西日本選抜に河南(かなん)の南大和選手(3年)と、興国の坂口卓弥選手(3年)が選ばれており、「高校野球の聖地」での一戦に胸を躍らせている。

 交流試合は、今夏に全国高校軟式野球選手権大会が70回を迎える記念として、日本高校野球連盟が主催し、朝日新聞社などが後援する。各都道府県の選抜メンバーが西日本と東日本に分かれて対戦する。

 軟式の全国選手権は例年、8月下旬に明石トーカロ球場(兵庫県)を中心に開催され、甲子園での試合の機会はない。

 「恐らく今後もない経験になる。とても楽しみ」。河南の南選手は今回の交流試合を心待ちにする。河内長野市出身で、市立長野中時代は少年硬式野球チーム「河内長野ボーイズ」でプレーした。当時のチームメートが昨夏、硬式野球で大阪桐蔭の一員として「夏の甲子園」に出場。スタンドから応援したが、「まさか自分が試合をできるとは」と驚きを隠せない。

 河南は2018年に全国で準優勝した「公立の雄」で、昨秋には府大会を制し、近畿大会で準優勝。南選手は捕手としてチームの要を担った。田中誠二監督(67)は「リードや捕球が基本に忠実で、投手の良さを引き出すのがうまい」と評する。

 南選手は「自分としては肩が一番自信がある。甲子園では盗塁を刺したい」と意気込む。吹奏楽部も甲子園に応援に駆けつけてくれるという。

 興国の坂口選手は八尾市出身。市立高安小中学校で野球を始めた。身長160センチ、体重55キロと選手の中では小柄だが、バントや走塁がうまく、守りでは投手、捕手、野手すべてのポジションがこなせる。

 内野手のレギュラーとなった昨秋は、府大会の決勝で河南に2―4で敗れたが、近畿大会の決勝ではその河南を2―1で破って優勝した。「硬式に比べて軟式は点が入りにくく、一投一打がより重要になる。選手が一球にすべてをかけてプレーしているところを見て欲しい」と言う。

 交流試合で西日本選抜のコーチも務める五十嵐公三監督(48)は「体の小さな選手でも活躍でき、大きな舞台に立てることを知ってもらいたい」と話す。

 交流試合の開始は5月5日午前11時。試合の模様は高校野球総合情報サイト「バーチャル高校野球」が無料でライブ配信する。

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