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建立から40年を迎えた「祈りの塔」。この日は大雨でサハリンの島影は望めなかった=9月1日、北海道稚内市の宗谷岬公園

 日本人28人を含む乗客乗員269人が犠牲になった旧ソ連軍機による大韓航空機撃墜事件は1日、42年を迎えた。北海道稚内市では今年も平和を願う式典が営まれ、遺族のほか小中学生の代表ら市民約200人が犠牲者を悼み、平和への誓いを新たにした。

 式典は今年で38回目。例年、惨劇の舞台となったサハリンを望む宗谷岬公園の「祈りの塔」前で営まれるが、この日は荒天で、近くの大岬小学校に会場を移した。

 遺族会からは今年も山口真史さん(44)=兵庫県西宮市=と川名正洋さん(59)=静岡県三島市=の2人が参列。遺族会を代表して山口さんが壇上に上がり、平和の尊さを訴えた。

 山口さんは2歳の時、米国出張から帰国途中だった父正一さん(当時32)を失った。川名さんは兄広明さん(当時20)を亡くした。米国の大学の夏季講座に参加して帰国する途中で、機内で20歳の誕生日を迎えた矢先だった。

 遺族会の初代会長を務めた川名さんの父も2008年に他界。30周年の式典には犠牲者7人の遺族18人が参列したが、高齢化が進んで遺族も減り、最近は山口さんと川名さんの2人だけになった。

 2人は今回、宗谷岬そばの天…

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