大麻の所持・使用を条件付きで合法化して1年余りとなるドイツで、大麻の乱用を懸念する声が強まっている。闇市場で流通する粗悪品による健康被害を防ぐのが主な狙いだったが、精神・行動障害の患者が大幅に増えたとの試算もある。政府は今秋から合法化の影響を調べる予定だが、規制の強化も検討されている。
ベルリンで6月に開かれた欧州最大級の大麻展示会「メリー・ジェーン」。会場には500超の業者がブースを構え、大麻の苗木、栽培用のライトや肥料、喫煙用のパイプなど関連の製品が並び、愛好者でにぎわっていた。
「大麻ビジネスは間違いなく成長が期待できる」。昨年から大麻栽培用の肥料に参入したドイツ企業の担当者はそう話す。欧州ではマルタなど一部の国で合法化されているが、ドイツの合法化に大麻ビジネス業界は沸き立っている。
合法化前でも約450万人が「大麻使用」
ショルツ前政権は昨年4月…