脳腫瘍(のうしゅよう)と闘い、漫画家を目指した18歳で亡くなった坂野春香さんと、家族の実話をもとにした映画「春の香り」が上映されている。両親が書いた書籍からつながった縁で、映画化された。
「春香は生前、人の心に何かを刻みたい、役に立ちたいと言っていました。映画という形でみなさんにお届けできたことうれしく思います」
舞台挨拶で、母親の和歌子さんはそうあいさつした。
原作は、両親の視点で、晴香さんの闘病と介護についてつづった同名のノンフィクション「春の香り」で2022年8月に出版された。
春香さんは小学生の時に悪性脳腫瘍とわかり、6年間の寛解期間を経て、17歳で再発した。2度の手術を受けて闘病続けたが、2020年12月、18歳で亡くなった。
プロデューサー堀ともこさんは一昨年、白血病になった娘の経験をもとに、映画「いちばん逢いたいひと」を制作。全国公開にこぎ着けた。そのさなか坂野さん夫妻から連絡が届き、原作を手に取って、ある母親のことを思い出したという。
生き残った私たちができること…
それは娘と同じように、骨髄…