金沢市の国立工芸館をはじめ、国内外の展覧会に参加する美術家でガラス作家の佐々木類さん(41)=金沢市=。「懐かしさを捉えて保存する」をキーワードに、ガラス作品などを制作。海外でも高く評価される。曇りがちな北陸の気候風土に魅了されているという。
代表作の一つには、展覧会エリアで採集した植物を板ガラスで挟んで焼き、灰として残すシリーズがある。植物の持つ普遍性から、記憶を呼び起こすことを意図している。「ガラスは200万年たっても土にかえらない。灰はこの世に存在できる最後の姿。土地や私の存在の記憶として表現しています」
石川県の雪に触発されたシリーズは、蓄光ガラスを雪の中で吹いた球体作品。その日当たった光の分だけ、暗闇で光を放つ。天気を保存する発想という。徐々に光が薄れていくところが日本の美的感覚と捉えられ、海外では人気の展示だ。
これまでに、ガラスコレクションで世界的に有名な米ニューヨーク州のコーニングガラス美術館の「Rakow Commission Award 2018(大賞)」や、富山市ガラス美術館の「富山ガラス大賞展2021(大賞)」などを受賞している。
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