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 海に放棄され、そのまま海を漂う漁具「ゴーストギア(幽霊漁具)」。実態はつかみきれない中でも、対策に向けて動き出す現場が出ている。国際的な規制のあり方の議論も続いている。

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漁網に絡まったウミガメ=米海洋大気局(NOAA)提供

 ゴーストギアは、日本の沿岸や、遠く離れた北太平洋の真ん中でも見つかっている。

 2022年度に国内の海岸78地点で環境省が行った漂着ごみの回収調査によると、漁具は重量ベースで全体の約3割を占めた。

 オランダの環境NPO「オーシャン・クリーンアップ」は、北太平洋の中緯度にあるごみが集まる海域「太平洋ごみベルト」で回収されたごみのうち、漁具が75~86%を占め、日本から出たものが最も多かったと報告している。

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北西太平洋の漁場に向かう、中小型船の北洋サケ・マス漁船団=1985年、北海道根室市

 海流データから海洋プラスチックの海の中での動きをモデル化したところ、太平洋ベルトに到達する確率は、漁業で流出したものは、河川由来のプラスチックの10倍以上高かったという。漁業が行われる沖合での投棄・逸失漁具の影響が大きく表れていると考えられている。

 豪タスマニア大学などの研究…

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