東京で16日から18日まで、第10回日本・太平洋諸島フォーラム首脳会議(太平洋・島サミット、PALM10)が開かれます。サミットに参加する太平洋島嶼(とうしょ)14カ国を巡っては近年、米国や中国などが影響力を競い合っています。太平洋島嶼国の外交に詳しい東海大学の黒崎岳大准教授は「PALMは素晴らしい外交の枠組みだが、日本政府は近年、この枠組みを十分生かし切れていない」と語ります。
――太平洋島嶼14カ国のうち、中国と国交を結ぶ国は11カ国、台湾と国交を結ぶ国は3カ国です。
2019年にキリバスとソロモン諸島が台湾と断交して、中国と国交を結びました。昨年末までは、パラオ、マーシャル諸島、ツバル、ナウルの4カ国が台湾と国交を結んでいましたが、今年1月の台湾総統選挙で頼清徳(ライチントー)氏が当選した直後、ナウルが台湾と断交して中国と国交を結びました。頼氏らのお祝いムードに水を差そうとする意図があったと思います。
■「ナウルは一番ひっくり返し…