衆院法務委に参考人として出席し、意見陳述する一般社団法人「あすには」の井田奈穂代表理事=2025年6月17日午前9時17分、岩下毅撮影

 選択的夫婦別姓の導入に向けた法案は、5月に衆議院で28年ぶりに審議入りしたものの採決は見送られ、継続審議が決まった。

 制度の実現をめざす一般社団法人「あすには」の井田奈穂代表理事は19日、法案審議を振り返り、「三つの野党案がなければ審議入りも難しかった。各党が力を合わせてくれたことに感謝している」と語った。衆院法務委には自身も参考人として出席し、意見陳述した。

 一方で、自民は「自党の案も出せないのに、党議拘束を外すかでもめ、時間を無駄にした。30年間審議を阻んできたのだから、審議にきちんと臨み、なぜ阻んできたのか説明すべきだった」、公明は「立憲や国民民主と同じ方向を向いていたのに、どうして合意できなかったのか」と批判した。

 その上で今後に向けては「多くの人を『自分が自分でない感覚』に陥れ、結婚を破談にし、子どもを持つことをあきらめさせ、自分の名前で死ねない無念を押しつけてきた。改姓を強いられて苦しい思いをしてきた人、これから結婚する年代の人など当事者の話を聞いてほしい。私たちをいなかったことにしないでほしい」と話した。

 選択的夫婦別姓制度の導入を強く訴えてきた労働組合の中央組織・連合の芳野友子会長は19日の記者会見で、「今時国会で成立することがかなわなかったことは、非常に悔しい気持ちでいっぱいだ」と述べた。

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