岡山市で西田真愛（まお）ちゃん（死亡当時6歳）が虐待を受けて死亡した事件で、逮捕監禁致死と強要の罪に問われた母親の西田彩被告（36）の岡山地裁での裁判員裁判。第7回の29日、検察側は「類を見ないほど過酷かつ陰湿な拷問と言うべき犯行だ」などと非難して、懲役10年を求刑し、結審した。
弁護側は、元交際相手の船橋誠二受刑者（41）=逮捕監禁致死などの罪で懲役14年が確定=との間に共謀はなく「船橋受刑者の犯行を容易にさせた幇助（ほうじょ）の罪にとどまる」と主張し、執行猶予付き判決を求めた。判決は9月11日に言い渡される。
起訴状によると、西田被告は船橋受刑者と共謀して、2021年9月10～25日、自宅で真愛ちゃんを椅子の上に置いた鍋の中に長時間立たせ、指を口に押し込ませるといった暴行を加えて嘔吐（おうと）などを繰り返し強要。同25日には、真愛ちゃんに布団を巻き付けて約1時間半放置し、翌22年1月12日に低酸素脳症で死亡させたとされる。
検察側「虐待行為の制止は可能で容易」
検察側は論告で、真愛ちゃんは21年9月、16日間で計約33時間も起立や嘔吐を強要され続け、死亡の原因となる布団を巻き付ける行為も抵抗を無視した残酷な犯行だったと指摘した。
西田被告が真愛ちゃんに言うことを聞かせるため、素行を船橋受刑者に伝えていたと主張。船橋受刑者が求めに応じて虐待行為をしていたと強く推認できるとした。西田被告が立たされていた真愛ちゃんを降ろさず、布団で巻き付けられた際も放置し、黙認していたと指摘した。
検察側は、西田被告が船橋受…
