東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機の再稼働を受け、樋口康二郎社長は31日の定例会見で、電気料金を一時的に割り引く方針を示した。一方、期間を限定しない本格的な値下げは同社の経営状況から「難しい」とした。
割引きの対象や期間などは改めて発表する。「1キロワット時あたり数円」(標準家庭の使用量=月260キロワット時)か、同額の同社ポイント進呈を検討している。
東北電は昨年6月に家庭向けの電気料金を値上げした際、2号機再稼働を見込んで値上げ幅を圧縮した。また2022年3月期と23年3月期に2年連続で大幅な赤字を計上したことで財務基盤が傷んでいるとして、さらなる値下げは「現段階で考えていない」(9月26日、樋口氏)としていた。
先月29日、13年7カ月ぶりに原子炉を起動させた女川2号機は、7日に発電を再開する予定。東日本の原発、事故を起こした福島第一原発と同じ沸騰水型炉(BWR)として初の再稼働で、樋口氏は「大きな節目。電気料金を通して感謝の気持ちを伝えたい」と述べた。(中島嘉克)