大和総研の是枝俊悟氏=東京都千代田区

 ジェンダー平等の観点から批判されることも多い年金の第3号被保険者制度の存続について、大和総研の是枝俊悟主任研究員は「国民の納得感が大切だ」と話す。「130万円の壁」についてどう考えるか、そのヒントを聞いた。

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 3号制度が過去「男は仕事、女は家庭」という役割分担を強化してきたのは事実でしょう。しかし、今もそうなのでしょうか。現在では、出産した女性の6割ほどが、産休・育休を経て元の職場に復帰するようになりました。

 出産後も女性が仕事を続けると、離職した場合と比べ、世帯の手取り収入が生涯で最大1・7億円増える。そう政府が試算を出したように、正社員として働き続けることで得られる収入に比べれば、3号制度や税優遇の配偶者控除の魅力は薄れています。

 むしろ様々な事情で働けない…

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