現場へ! 社会を変えるお金の流れ(2)
長野県上田市の企業「はたらクリエイト」は、1階がオフィスで2階には託児所がある。社員のほとんどが女性。お昼休みには、パソコンが並ぶオフィスに子どもたちがお母さんに会いに下りてくる。
社員の千野佳代子(40)が、初めて仕事を「楽しい」と感じたのは、同社に入って2018年に産休に入る頃だった。
同県佐久市出身。名古屋市の短大を出て地元に戻り、それまでも事務員などとして働いたが、仕事とは生活のためだった。
千野は17年、マーケティングやDX(デジタル化)支援などを行う同社にパートで入社、ウェブ記事のライターに。記事をまとめる責任者を養成することになり、千野も選ばれた。「仕事の幅が広がり視座も高くなり、業務をグループで達成する喜びを得た」
育休は1年とるつもりだったが、早めに戻らないかと同僚から声をかけられ8カ月で復帰。顧客とのやりとりなど責任ある仕事を任せられ、自信もついていった。20年には正社員に。経営理念の刷新や人事制度策定も担当、来年1月にグループ企画部長に就任予定だ。やりがいと責任の重さをかみしめている。
「仕事は楽しくて社会や人の役に立つ」
同社の創業者は井上拓磨(4…