生成AIを学習に使うと、子どもたちが安易に答えを求めてしまい、思考力が育たないのでは――。そんな懸念を受け、「答えを教えないAI」教育が各地で模索されている。
今月18日にあった大阪教育大付属池田中学校の2年生の英語の授業。生徒約30人が自分で考えた英作文を生成AIを使い、より良くしようと取り組んでいた。
「自分で書いた英作文の文法を直して」
ある生徒の投げかけに、生成AIは「文法の修正はしないようにしているよ。どの部分が不安だったかな? どんな文法や語彙(ごい)を使おうとしたのか思い出してみるのも良い練習になるよ」と返した。生成AIは少しずつヒントを出すが、答えはすぐには教えない。
授業を担当する中田未来教諭(44)が、「『英語で何て言うの?』と聞かれてもヒントにとどめて」、「文法の修正や添削はせず、自分の言葉で直せるきっかけづくりを目指して」など、生成AIに対して、細かく条件を設定したためだ。思考を深めるヒントも、各生徒の英語の習熟度に合わせて出すよう設定。昨年まで大学院で生成AIと教育について研究。AIのフィードバックが生徒の理解を超えると、生徒が分からないままうのみにしてしまうと感じたためだ。「うまく採り入れることで、一人ひとりに合った学びが達成できるのでは」と可能性を感じている。
授業を受けた森脇敬良さん(13)は「生成AIのヒントのうち、自分で意味を調べてイメージに合ったものは採り入れた。自分の考えと違う表現や分からない文法は使わなかった。AI任せにしていると自分らしさが失われていく気がするから、共感できない回答は採り入れたくない」と話した。
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