YASUさんの作品

 幼い頃から絵を描くのが好きだった。ただ、仕事になるとは思ってもいなかった。

 スプレーのように色を吹き付けるエアブラシに出会ったのは10代の頃。自動車の塗装の仕事をしていた時、車体のカスタムペイントをエアブラシで手がけた。美しく鮮やかなグラデーションのペイントはコンテストなどで賞に輝き、本場米国でも高い評価を受けた。

 「アートの世界でも通用するのだろうか」。30代半ばからエアブラシで本格的に絵画を描き始めた。すると作品展などで受賞を重ね、海外からも制作依頼が舞い込んだ。

 エアブラシアーティストの「YASU」と名乗り、国内外に活動の場を広げてきた。絵画、デザイン、絵本……。「びっくりするかな。喜んでくれるかな。そんなことを思いながら、ずっと楽しいことをしてきた」

才能、引っ張り上げたい

 自らのアート作品に取り組みながら、生まれ育った鳥取市で子どもたちを対象にアート教室も始めた。水彩画、粘土、発泡スチロールの造形作品など、本人がやりたいことを楽しんでもらう。「何をやれとは言わないし、答えも教えない。個性を引き出して、才能を引っ張り上げたい」。教室を開いて十数年。美術展などで受賞する子どもたちを何人も育てた。

 そんな鳥取の子どもたちと…

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