大阪・関西万博の開催理念を体現する八つのシグネチャーパビリオン(テーマ館)が盛況だ。日本国際博覧会協会は万博の中核事業と位置づけており、学者らが「いのち」をテーマに展示内容を考えた。ただ、その人気ゆえ、遠足などで訪れる子どもたちには縁遠い存在になっている。
6月下旬の平日、遠足で万博を訪れた大阪市立小学校の4年の児童たちが、シグネチャーパビリオン「いのちの遊び場 クラゲ館」の2階部分を見学していた。児童自らが見学先として希望し、授業で事前の下調べもしてきたという。
ただ、同館の制作者たちが映像や音声を駆使して作り上げた1階部分は1日の受け入れ可能人数が1千人ほどに限られており、必要な事前予約がないため見られずじまいだった。女児の一人は「ネットで調べ、飾りがきれいだったので選んだ。全部を見たかったのに……」と話し、残念がった。
これに対し、同じ日に遠足で訪れた奈良県の高校1年の生徒6人は、偶然に他の団体のキャンセルがあり、事前予約無しで1階も見学できた。男子生徒(16)は「1階では独特の世界観を感じられ、ラッキーだった。予約が不要なら他のシグネチャーパビリオンも見たかった」と話した。
「すべての展示見せたいが……」
シグネチャーパビリオンは企…