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 子どもの見守り活動の担い手が高齢化などで不足する中、情報通信技術(ICT)を活用する自治体が相次いでいる。スマートフォンにアプリをインストールした人と、端末を持った子どもがすれ違うと、子の位置情報が親に伝わる仕組みも登場。こうした取り組みの先進地の一つが兵庫県加古川市。2007年に小学2年の女児が殺害された事件も受け、対策を強化してきた。

 同市は、17年から現在までに、検知器が内蔵された防犯カメラ計1571台を市内全域の電柱に設置。近距離無線通信が搭載された端末を持つ子どもがそばを通ると、保護者のスマホに位置情報が通知される。端末は民間提供で有償だが、希望する新小学1年については、市などが初期費用と1年間の月額利用料を負担。1年生の約4割が利用し、うち約6割が自己負担が発生する2年生以降も継続した。検知器は、電柱以外に、市の公用車やゴミ収集車、郵便車両など(441機)と学校(46機)にも設置。今年4月からは、市民らがスマホに市提供のアプリをインストールすると、端末を持つ子どもとすれ違った際などに親に位置情報を送れるようにした。悪用を防ぐため、検知したかはスマホの持ち主にはリアルタイムではわからないという。

 大崎隆裕・市生活安全課長は、07年の女児刺殺事件で「安全安心への市民のニーズが高まり、ICTの見守り導入のきっかけの一つになった」と話す。市内の刑法犯認知件数は、17年と比べて23年は約4割減少。市はICTの成果とみる。

 同様の対策は、他自治体にも…

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