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【動画】パレスチナ自治区ガザ北部ガザ市で、UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)のスタッフに栄養状態のチェックを受ける乳児=朝日新聞スタッフ撮影

 パレスチナ自治区ガザで食料不足による飢餓が急速に深刻化している。ガザ当局によると、2023年10月の戦闘開始以降、飢餓などで122人が死亡し、約7割を子どもが占める。今月22~25日だけで少なくとも34人が餓死した。イスラエルがガザへの支援物資の搬入を制限するなか、国連や国際援助団体は「人為的な危機」と強く非難している。

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 ガザ北部ガザ市の国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の避難用シェルター。朝日新聞の現地スタッフが訪れると、壊れた建材やプラスチックシートで囲まれたテントが並ぶ中、ハディヤ・サバフさん(16)が、生後7カ月の娘ジェニンちゃんを胸に抱えていた。UNRWAのスタッフが、ジェニンちゃんの上腕に測定バンドを巻くと、目盛りは「危険域」とされる11・5センチを下回っていた。

粉ミルクが7倍に高騰 支援なき「闇市場」

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パレスチナ自治区ガザ市で2025年7月24日、栄養失調の息子を抱きかかえる母親=ロイター

 「この子は生まれたときから元気で、よく笑う子だった。でも、3月ごろから急にやせ細り始めた。今はあばら骨が浮き出て、泣く力も弱くなってきた」とサバフさんは声を震わせながら話した。

 サバフさん一家は、イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘で家を失い、北部ベイトラヒヤのテントに避難してきた。かつては支援物資として受け取れていた粉ミルクは3月以降、まったく手に入らなくなった。

 知人に聞いて、「闇市場」に…

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