三重県伊勢市小木町の発酵食品ビュッフェレストラン「クロフネファーム」が、子どもたちに無料でランチを提供する取り組みを始めた。「食育」をテーマにした子育て支援事業と位置づけ、地域の協賛企業が費用を負担。通常の営業時間に利用できる。案浦豊土(あんのうらとよと)社長は「育ち盛りの子どもたちに食べることの大切さを知ってほしい」と来店を呼び掛けている。
「伊勢からのやさしい風プロジェクト」と銘打った取り組みで、11日にスタートした。「店で子ども食堂をしたい」。そんな思いが出発点だ。
全国に広がっている子ども食堂だが、多くはボランティアに支えられ、開催が月1回程度のところも少なくない。資金不足で休止したり、利用者がいじめに遭ったりするケースもあるという。
こうした課題を克服しようと考えたのが、地域の企業に協力してもらう方式だ。子どものランチチケット(1枚千円)を毎月事前に購入してもらい、店内に企業名を明記したチケットを掲示。来店した子どもたちはそのチケットで食事ができる。5月分は約50社が1千~5万円の範囲で協力。約200食分確保できた。
食育の観点から利用者にはプロジェクトのルールがある。「いただきます」「ごちそうさま」を元気よく言う▽好き嫌いせず、いろんなおかずを食べる▽食べられる分だけよそう▽店内を走り回らない▽食べた食器は食器棚へ運び、次の人が重ねやすいように片付ける――などの一覧を配布。さらにチケットに名前と学校名、協賛企業へのお礼などを書いてもらい、店が回収して企業に届ける。
12日に子ども3人を連れて…