Smiley face
写真・図版
大庭三枝さん

 米国のトランプ大統領は就任以来、おきて破りの発言や決定を繰り返しています。いわば「第一極」である欧米の足並みの乱れが懸念される中、存在感を増しているのが、「グローバル・サウス」と言われる「第三極」の国々です。国際政治学者の大庭三枝さんに、その実情を尋ねました。

     ◇

グローバルサウス 三つの基準

 私は「3」という数字が大好きです。要点を示す時も二つだと少なすぎるけれど、四つだと多すぎて。でも、三つならうまく整理した感じになりますよね。

 「3」と言えば現在、南半球の新興国・途上国を中心とする国々を「グローバルサウス」として、「第三極」とする見方が一般的になりつつあります。

 グローバルサウスの定義はあいまいですが、私は三つの基準にあてはまる国々だと考えています。帝国主義の脅威にさらされた歴史的経験があること。先進国ではないこと。そして国際社会で一つの極となるような大国ではないこと、です。

 国際社会におけるそれらの国…

共有