埼玉県

 学校給食の原材料高騰が続くなか、埼玉県川口市は新年度から、学校給食費のうちパンやご飯など主食相当分を補塡(ほてん)することを決めた。戸田市など完全無償化を決めた自治体もあるが、川口市は児童・生徒数が約4万1千人と多く、苦肉の策だ。

 新年度の一般会計予算案に公費負担分5億5634万円を盛り込んだ。市教委学校保健課によると、市ではすでに給食費の一部公費負担を実施している。それでも物価高騰分をカバーできず、2024年度は10月から給食費の保護者負担額を値上げした。

 小学校で1食あたり238円(月額3895円)を273円(同4467円)に、中学校は同279円(月額4565円)を同324円(同5302円)に引き上げていた。

 その後もコメの価格高騰など、食料品価格の上昇が続く。このため、「主食相当分」を市が負担することにした。

 1食あたりの市の負担額は小学生が29円から235円、中学生は33円から265円になる。

 県内では戸田市のように新年度から完全無償化(中学校のみ)する自治体もある。川口市は児童・生徒数が多く、市の試算では小中で完全無償化にすると、年間約24億円の経費が必要になるといい、主食相当分にとどめた。

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