4月、文部科学省で開かれた有識者会議には、スーツ姿で緊張した面持ちの大学生、大学院生の計6人が並んでいた。
地方大学の振興策を検討する会議の初会合に、こうした会議では珍しく当事者である学生が参加。地方大学に進んだ理由や学んだことを語る表情は生き生きしていた。
共愛学園前橋国際大(前橋市)4年の斎藤舞奈さんは、地域課題と結びついた授業が多いと考え、志望した。経済的事情からも県外進学は考えなかったといい、「今の大学がなければ進学自体をあきらめたかもしれない」。地方に大学がある意義を語った。
卒業研究の一環で子ども食堂を立ち上げ、卒業後も就職先の地元IT企業の事業で運営を続けるという。「地域での学びの中で、地元への愛着を一層もつようになった」と語った。有識者からは学生への質問が次々と出た。
昨秋から文科省担当として多くの有識者会議を取材したが、大学や学生の現状を最も強く感じた。
少子化が加速する中、地方大…