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安彦忠彦さん

 2030年度から始まる次期学習指導要領について、文部科学相が25日、中央教育審議会に諮問し、10年に1度の改訂議論が始まった。

 長時間労働問題が深刻化し、子どもの抱える課題が多様化するいま、検討の焦点はどこか。留意するべき点は。

 中教審委員として過去の改訂に関わってきた安彦忠彦・名古屋大名誉教授(教育課程論)に聞いた。

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 いまの学習指導要領の改訂案が出たとき、私は「非常に細かい部分まで書き込まれ、『こうやらないといけない』という受け止めが現場で起こるだろう」と指摘した。結果は、全体として残念ながらその通りになったと見る。

 現場ではベテランが退職し、経験の少ない教員が増えている。教科書会社は、指導要領の記述の多さに加え、力量がいま一歩の先生でも教えやすいようにと、教科書を分厚くした。教員たちはそれをこなさなければと負担を感じている。

指導要領は「大綱的基準」に

 これでは困る。指導要領は「…

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