「調査公害」の問題を提起した原裕太さん=2025年4月8日、仙台市青葉区の東北大災害科学国際研究所、石橋英昭撮影

 大災害が起きると、様々な研究機関が現地で調査を始める。分野が重なる学者が被災者に似たようなアンケートをし、役場で似たようなヒアリングをして、現地を疲弊させることも少なくない。能登半島地震の調査に入った若い研究者らが、こうした「調査公害」を防ぐ手立てを学術界で考えるべきだと、問題提起している。

 中心になったのは、東北大災害科学国際研究所助教の原裕太さん(33)=地球環境学。文部科学省の科学研究費助成事業(科研費)で能登の研究チームに参加したことが、きっかけだった。

 調査公害は、東日本大震災の…

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