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 民間企業などに10年で1兆円規模を投じる宇宙戦略基金。巨額基金の運用を担うことになった宇宙航空研究開発機構(JAXA)にとって「本業」への影響はないのか。採択を終えた第1期(3千億円分)をふまえ、3月まで担当していた石井康夫・前副理事長に課題を聞いた。

 ――第1期を振り返っていかがですか?

 感じたのは国際的な注目度の高さです。私は各国の宇宙機関が集まる国際会議に出ることが多いのですが、基金は必ず話題に出ます。1兆円という規模は、アジアや欧州などと比べてもかなり大きいと評価され、「ついに日本も始めたか」と注目されています。

写真・図版
宇宙戦略基金の第1期を振り返るJAXAの石井康夫・前副理事長

 ――第1期の採択結果を見ると、宇宙分野で既に実績のある大企業が多く選ばれ、スタートアップ企業や非宇宙業界の採択は限定されました。1者の採択に対して応募が1者だけだったものも多くありました。

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 全体的にはバランス良く採択…

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