東京都の小池百合子知事は22日、安倍晋三内閣で首相秘書官を務めた今井尚哉氏(66)など、エネルギーや環境分野に詳しい3人の専門家を都の新たな参与に選任したと発表した。任期は25日から来年3月末まで。知事として3期目に入るなか、重点を置く分野で外部人材を登用し、施策の充実を図りたい考えだ。
参与は、知事の施策について進言や助言をする非常勤の特別職。現在は元副知事ら4人が就いている。
今井氏は経済産業省出身で、エネルギー施策について議論する都の専門家会議の委員を務める。脱炭素化に力を入れるなか、参与としてより直接的に関与してもらう。
さらに「持続可能な都市」の実現に向け、三菱UFJリサーチ&コンサルティングフェローの吉高まり氏(62)と慶応大環境情報学部教授の安宅和人氏(56)を起用。金融や都市づくりの観点から助言を求めるという。
知事選立候補の安野貴博氏、都のDX組織アドバイザーに
また、自治体などのデジタル化を支援する都の外郭団体「GovTech(ガブテック)東京」のアドバイザーにAI(人工知能)エンジニアの安野貴博氏(33)が就任したと発表した。
安野氏は東京大工学部でAIを研究し、ベンチャー企業2社を創業。7月の都知事選に立候補し、AIを活用してマニフェストを策定するなどして注目され、5位に入っていた。小池知事は「2050年代を見据えた新たな都の長期戦略の策定に向けて、より多くの意見を集めて分析するため、AI技術を活用する。その第一人者として助言してもらう」と話した。
安野氏は記者会見で、2050年代に向けた長期戦略の策定について、都に寄せられる声を可視化するプロジェクトに技術協力すると説明。「東京都にとって初めての試みで、世界的にも先進的な事例になる。都民のみなさまには、東京の未来を一度考えて、気軽な形でいいので声を届けていただきたい」と話した。
すでにガブテック側と意見交換を進めており、任期は3カ月という。(太田原奈都乃)