茨城県

 茨城県教育委員会は24日、定員割れが続くつくばサイエンス高校(つくば市)に来年度から、普通科を新設する方針を決めた。定例教育委員会で明らかにした。

 つくばサイエンス高校には県内初の科学技術科があり、大学教授や企業の技術者といった外部講師を招いてロボット工学や建築学などの最先端分野を学ぶことができる。2023年4月に開校し、全て科学技術科で募集定員は6学級240人。しかし、23年度の入学者数が88人、24年度は77人と欠員状態だ。県教委高校教育課によると、進学実績がなく、中学3年の時点で進路を理系に決めるのが難しいことが理由とみられる。

 普通科は3学級120人を新たに募集する。科学技術科は6学級から3学級に減らす。普通科では、大学レベルの研究機器を使って生徒の興味を突き詰める授業を設ける。希望に応じて文系と理系のどちらの科目も選択できるようにする。

 県の推計では、中学校の卒業者は県内全体で減少するが、つくばエリア(つくば市、守谷市、常総市、つくばみらい市)では増加する。つくば市では、市民団体による県立高校普通科の拡充を求める動きもある。県教委は今回の普通科の新設で同校の欠員解消だけでなく、つくば市の中学校卒業者の増加にも対応したい考えだ。(富永鈴香)

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