賃金

 厚生労働省は9日、3月分の毎月勤労統計調査(速報)を発表した。物価の上昇分を差し引いた働き手1人あたりの「実質賃金」は前年同月より2.1%減り、3カ月連続のマイナスとなった。物価の高騰が賃金上昇を上回る状況が続いている。

 労働者が実際に受け取った「名目賃金」にあたる現金給与総額は2.1%増の30万8572円で、39カ月連続のプラスだった。

一方、実質賃金の計算に使う消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)が4.2%上昇し、実質賃金は低下した。

春のボーナス増加か

 現金給与総額のうち、基本給にあたる所定内給与は1.3%増の26万2896円。賞与を含む「特別に支払われた給与」は13.9%増の2万5993円だった。春のボーナスなどを支払う企業数が増えているとみられる。

 現金給与総額を就業形態別にみると、フルタイムの一般労働者は2.7%増の39万9394円、パートタイム労働者は1.8%増の11万292円だった。

春闘は4月分以降に

 高水準だった今春闘の影響は4月分以降で反映される見通し。ただ、物価上昇が3%を超える状況では、実質賃金がプラスになるのは難しいとの見方が厚労省内にある。

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