おいしいコメの源流となり、寒さに強い「亀の尾」だが、病気には弱かった。冷夏となれば病気が発生しやすい。欠点を補う改良が行われた。
それまで品種は雑多な子孫から優れたものを選抜して育成された。この時は他品種と掛け合わせる人工交配。当時としては画期的な技術だった。
戦前、コメの3大品種といわれたのは兵庫県の「神力」、山形県の「亀の尾」、宮城県の「愛国」。いずれも誕生県の篤農家らが育んだものだ。
亀の尾の交配相手は愛国だった。愛国は静岡県から取り寄せた種もみをもとに宮城県丸森町で育成され、病気に強く、たくさん取れたといわれる。
現在の秋田県大仙市にあった…