石破茂首相とトランプ米大統領は米東部時間7日(日本時間8日)、ワシントンのホワイトハウスで初の首脳会談を行った。首相は日本から米国への投資額を1兆ドル(約151兆円)に引き上げる考えを表明。トランプ氏は日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画について、「買収ではなく投資だ」と述べ、取引の容認に前向きな姿勢を示した。両首脳は日米同盟の抑止力・対処力を強化することでも一致し、「日米関係の新たな黄金時代を追求する決意」を盛り込んだ共同声明を発表した。
会談は少人数会合とワーキングランチ形式での会合を合わせ、約1時間50分行われた。会談後の共同会見で、首相は「トランプ大統領の就任を受け、日本企業の対米投資の機運は一層高まっている。対米投資を1兆ドルという、いまだかつてない規模まで引き上げるため、ともに取り組みたいと伝えた」と述べ、自動車や先端産業の分野などの対米直接投資の累計が1兆ドルに届くよう、ビジネス環境の整備などに取り組む考えを示した。自動車大手のトヨタといすゞによる米国での工場建設の計画についても説明した。
トランプ氏は「慢性的な貿易赤字は、我が国の経済を弱体化させる。日本との1千億ドルを超える貿易赤字を解消するつもりだ」と述べつつ、対米投資の拡大には歓迎の意を示した。
両首脳は日本が米国からLNG(液化天然ガス)などの輸入を拡大することで合意し、トランプ氏は「我々はハッピーだ」と歓迎した。アラスカ産の石油や天然ガスの開発に関する日米の共同事業についても議論。首相は会見で「資源が安定的にリーズナブルな価格で提供されることは日本にとっての利益でもある。米国の対日貿易赤字を減らすことにもつながる」と語った。
安全保障分野では、日米同盟…