将棋の初代名人・大橋宗桂はいったいどれほどの棋力だったのか――。A級順位戦の最終一斉対局が開かれている静岡市で27日、初代名人の将棋をプロの目線で深掘りする企画が開かれた。解説のプロ棋士から出たのは「怪物」という言葉だった。
静岡市歴史博物館で開かれたイベントで、解説は高野智史六段が担当。聞き手を本田小百合女流三段が務めた。
題材となった将棋は、1607(慶長12)年に指された将棋で、対局者は大橋宗桂と本因坊算砂。日本に伝わる「最古の棋譜」として知られる将棋だ。
静岡市歴史博物館によると、算砂は日海の法名で知られる京都・寂光寺の住職で、囲碁の家元・本因坊家の始祖となった人物だ。囲碁の達人だが将棋も強かったと伝わる。
宗桂は「謎多い人物」で、詳しい来歴はわからないところが多いが、京都の人で、裕福な町人階層の人だったとみられている。
2人は、徳川家康の招きで江戸城や駿府城で将棋を指しているが、この対局がどこで指されたかはわからないという。
将棋は、後手の算砂が四間飛車に振り、先手の宗桂が右四間飛車で対抗する立ち上がりとなった。互いの歩が前進して陣形が盛り上がり、じっくりした進行となった。
「早めに戦うというより、駒…