将棋棋士で第77期名人の豊島将之さん(35)=九段=は、幼少期の約5年を過ごした愛知県一宮市も、いま暮らす関西地方も、「どちらも大切」と言います。大切にしている「みっつ」は、それぞれの地域ゆかりのものが一つずつ。そして、お気に入りの本でした。

将棋の豊島将之九段=大阪市北区、内海日和撮影

豊島将之さんの「みっつ」

①「盤上のファンタジア 若島正詰将棋作品集」②愛知県の和菓子「餡麩三喜羅」③阪神タイガース

 《日本将棋連盟関西本部(大阪府高槻市)所属のいわゆる「関西棋士」だが、全国8地域のチームに分かれて競う棋士の団体戦「ABEMA地域対抗戦」では、「チーム中部」の一員として参戦した》

 将棋を覚えたのは、愛知県一宮市に住んでいた4歳のころ。羽生善治九段(54)ら「羽生世代」の棋士を描くドキュメンタリー番組を見て興味を持ったのがきっかけで、ルールを母から教わりました。

 《1995年4月、家族で大阪府豊中市に引っ越した》

 転居した年の夏休みの少し前に「家族以外の人と指してみたい」となって、母と一緒に、当時は大阪市福島区にあった関西将棋会館の道場へ。その日に、道場で教えていた土井春左右(はるぞう)先生(89)=指導棋士七段=と出会いました。

 母は月1回ほど通わせるイメージだったそうですが、土井先生が母に「この子は、もっと通わせた方が良い」と助言してくれたそうで、週に何回も通うことに。土井先生の言葉が無かったら、棋士になっていなかったと思います。たぶん飽きて、やめちゃったんじゃないかな。

 《土井さんの橋渡しで、桐山清澄(きよずみ)九段(77)に入門した》

 月1回、大阪府高槻市のご自宅で将棋を教わりました。まず練習将棋を1局。奨励会での(対局を記録した)棋譜を見ていただき、詰将棋を解いた後、ケーキをごちそうになって。最後に「次の一手」の問題を解いて終わる約2~3時間。土井先生からも詰将棋を解くようアドバイスをいただいていました。詰将棋は大切な勉強法の一つでした。

記者会見で師匠の桐山清澄九段(右)と握手する当時二冠の豊島将之さん=2018年11月4日午後、名古屋市中区、滝沢隆史撮影

 《気に入っている詰将棋の本…

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