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 人間の3千~1億倍の嗅覚(きゅうかく)を持つとも言われ、事件事故の現場で活躍する警察犬も「多様性」の時代を迎えている。従来、大型犬が占めてきた民間の嘱託警察犬に、近年は小型や中型の犬も採用されている。捜索が必要な行方不明者が増加する一方で嘱託犬の数は減っており、各警察が犬種の枠を広げて対応している事情がある。

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障害物を跳び越える、茨城県警の嘱託警察犬で、トイプードルのアンズ=2023年6月12日午前11時53分、茨城県東海村、宮廻潤子撮影

 一般家庭で育てられ、警察の要請で出動する嘱託犬。その種類は近年、全国的に増えている。嘱託犬を採用する45道府県警に朝日新聞が取材したところ、今年の登録は計31種で、2015年の18種から1.7倍に増加した。

「デコピン」で話題の犬種も

 ジャーマンシェパードやラブラドルレトリバーなどの大型犬が依然として多いが、増加が目立つのは小、中型犬だ。

 嘱託犬は採用のための審査会が実施されており、各地で今年採用された小、中型犬は約20種と、この10年で倍増した。ミニチュアダックスフントやフォックステリア、大リーグ・大谷翔平選手の愛犬「デコピン」の人気で話題となったコーイケルホンディエなど多岐にわたる。

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嘱託警察犬の種類

 犬種が多様化する背景の一つに、嘱託犬の減少がある。警察庁などによると、10年前は1200頭ほどいたが、21年以降は1100頭をきっている。45道府県警の約6割で今年の登録数が15年の数を下回った。

 日本警察犬協会(東京)によると、住環境の変化とともに大型犬を飼いづらい家が増えたことが一因という。

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嘱託警察犬に採用されている主な小、中型犬

独自に「準警察犬」

 一方で、早期の保護が必要な認知症などの「特異行方不明者」が増加傾向にあり、捜索の需要は高まっている。

 警察庁によると、23年の特…

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