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東京五輪のボート・カヌー会場候補だった長沼ボート場を視察する東京都の小池百合子知事(手前右)=2016年10月、宮城県登米市、福留庸友撮影

 1117億円(2022年度)、1141億円(23年度)、1266億円(24年度)……。

 東京都財務局がホームページで、こんな数字を公表している。都の事業を見直すことで、新たに確保できたとする財源額だ。

 年度途中に小池百合子知事が就任した16年度は300億円だったが、17年度以降の8年間は平均1019億円に伸びた。

 17年度の予算編成から、都は、全ての事業に「終期」を設け、成果を検証して次年度予算に反映させるサイクルを強化した。

 例えば、21年度に始めた高齢者向けのスマートフォン普及事業は、22、23年度は4億円台だった予算額を、24年度は約2億5千万円に縮小させた。

 需要に合わせて体験会の規模を精査し、高齢者や障害者向けの別のスマホ普及事業に組み立て直したという。

 小池都政の8年間で、見直した事業は約7600件、確保財源は計約8100億円に上ると都は公表している。

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東京都の財政指標

 「ワイズ・スペンディング(賢い支出)の観点から、無駄をなくす取り組みを徹底している」と小池氏は繰り返し、成果として誇ってきた。

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