棚や机の並ぶオフィスの一角で、身を寄せ合うようにしてバンドが演奏する。一風変わった音楽番組「tiny desk concerts JAPAN」(NHK、月曜夜11時)が放送中だ。18日は、小沢健二が登場する。
生音で生声、基本NGもなしの一発録(と)り。NHKの柴崎哲也チーフ・プロデューサーいわく「ライブドキュメント」だ。撮影はスタジオではなく普段はデスクワークをしているNHKのオフィスで行われ、エレキギターのようにアンプを使う楽器は、他の生音に合わせて音量を落とす。互いの音に耳をそばだてるようにして出来上がったセッションには、特別な親密さがただよう。
「JAPAN」とタイトルにあるように、本家は米国の公共放送NPR。ラジオが主体で音楽用のスタジオも持たないNPRが2008年、報道用など手持ちの機材を使い自局内のオフィスで撮影してネット向けに発信し、世界的な人気に。BTSやテイラー・スウィフトといった大物も出演、アーティスト憧れの場になっているという。
柴崎は「特殊な環境だからこそ、聞いたことのないオリジナルな音楽になる」とその魅力を語る。NPRからライセンスをうけたNHKは、3月に藤井風を迎えて特別版を放送し、9月末からは総合でのレギュラー放送に。稲葉浩志やKIRINJI、くるり、yamaなどが登場した。
NHKの歌番組といえば、紅…