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復刊された小説「安曇野」。1987年に「ちくま文庫」から出版された文庫版と同様、安野光雅さんの絵が表紙に使われた=2025年1月14日、長野県安曇野市、小山裕一撮影

 長野県安曇野市が復刊作業を進めてきた小説「安曇野」が、3月2日から販売される。市は復刊に合わせ、この日に復刊本の「お披露目会・販売会」を市内で開き、トークイベントとして文芸評論家の斎藤美奈子さん(68)が小説「安曇野」の魅力について話す。

 「安曇野」は、地元出身の文芸評論家で作家の臼井吉見(1905~87)の代表作として知られ、筑摩書房(東京都)から出版された長編小説。安曇野や東京、フランスなどを舞台に明治から昭和初期にかけての激動する社会を書いた作品で、新宿中村屋を創業した相馬愛蔵・黒光夫妻や彫刻家・荻原守衛ら5人の群像劇になっている。

 今の安曇野市にも残る日本の懐かしい情景や里山の暮らしが描写されており、「安曇野の名を全国に広めた作品」として、市は昨年5~8月に復刊資金を募るクラウドファンディング(CF)を実施していた。

1セット5冊で7040円

 CFでは目標だった100万…

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