文部科学省=東京・霞が関

 少子化時代の大学の将来像を議論している中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の特別部会が6月から、大学の再編・統合、撤退の支援策などについて議論を本格化させる。具体策を盛り込んだ中間報告を夏ごろにまとめ、その後文科省に提言する。

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 2040年の18歳人口は現在の約110万人から25%減って約82万人になる見通しで、大学の経営環境は今後さらに厳しくなる。こうしたなか、文科省は中教審の大学分科会に特別部会を設置し、昨年11月から高等教育のあり方を議論してきた。

 5月31日の特別部会では、今後議論を深めるべき事項を「質の更なる高度化」「適正な規模の確保」「地域におけるアクセス確保」の三つの観点で整理した「中間まとめ」の素案が示された。

 「質」では、学生の学びや大学の教育の成果をそれぞれ可視化・情報公開することなどが検討項目とされた。「規模」については、18歳人口が急激に減っていくなかで、社会人や留学生の受け入れを拡大しても「大学などの高等教育機関の連携、再編・統合、撤退の議論は避けることができない状況」と指摘。定員割れの大学の縮小・撤退の支援策も検討していくとした。

 「アクセス」では修学支援新制度などで経済的な支援は進展しているものの、対象者への制度の周知不足といった運営面では課題があり、情報提供の方法も検討が必要とした。理工系に進学する女性が少ないことを踏まえ、ジェンダーバイアスを排除する社会的な機運の醸成策も検討する。

 中間まとめ案には今後の検討事項が多岐にわたって盛り込まれた。委員からは「『これだけのことをやるんだから政府が財政支援をしなければいけない』と突っ込んで書かないと実現できない」との意見も上がった。(久永隆一)

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